沖縄地方で600年の歴史を持つ泡盛とは

 

泡盛とは沖縄や八重山地方で作られている600年以上の歴史を持つ蒸留酒で、米と黒麹菌を原料としています。税法上は単式蒸留焼酎に分類されるため本格焼酎と同じジャンルではありますが、その製法には大きな違いがあります。

 

まず原料の米はうるち米ではなく「タイ米」を琉球王朝時代から伝統的に使用していることと、麹には「黒麹」を使用していることで、1971年の本土復帰の際には日本産の米を使っての試験醸造が行われましたが、技術的・酒質的に風味や味わいを維持することが難しかったことから、現在でも変わらずタイ米が使われています。

 

そして、基本的に酒類に含まれるアルコールは、原料に含まれるブドウ糖と酵母が反応することによって作られます。米にはブドウ糖が含まれていないためブドウ糖を作る麹が必要となりますが、一般的に使われる白麹を使用していない理由には、黒麹にはブドウ糖と同時にクエン酸も大量に産生するという特性があるからです。

 

クエン酸には保存の効果があり、暑い気候の沖縄近郊では製造している途中で泡盛の原料が腐ってしまう心配があるため、白麹に比べてクエン酸産生量の多い黒麹が泡盛造りには欠かせない麹となっています。

 

また、米焼酎が米麹を原料として発酵させた一次もろみに、米を加えて二次もろみを造り蒸留する「二次仕込み」であることに対し、泡盛は原料を全て麹にして一度の仕込みだけで蒸留する「全麹仕込み」であることが特徴です。

 

更に、蒸留過程では一般的な焼酎は口当たりが軽やかで飲みやすく、フルーティーな香りの酒質になる「減圧蒸留」で製造されていますが、泡盛の多くは原料の個性をより多く出す「常圧蒸留」がメインとなっています。泡盛が常圧蒸留であることの理由の一つには、熟成させることで風味を高めていく「古酒」があります。

 

古酒特有の深い味わいと芳醇な香り常圧蒸留ならではのもので、熟成された濃厚なとろりとしたまろやかな口当たりが大きな魅力となっています。泡盛の度数は25度から40度とアルコール度数はかなり高目で、代表的な飲み方はオンザロックです。

 

ひんやりとしたのど越しと泡盛ならではの香りとコクを楽しむのに最適で、大きめの氷を入れてゆっくりと溶かしながら、徐々に変化する味わいを堪能できます。泡盛はカクテルのベースとしても適しており、トニックウォーターや柑橘系のジュース、ソーダなどで割るとアルコール度数も下がり飲みやすくなるため女性に人気です。

泡盛と焼酎にはどんな違いや特徴があるか

 

お湯割りやロックなど色々な飲み方が楽しめるお酒の1つでもある「泡盛」ですが、一般的には焼酎とあまり変わりない存在となっているケースも見受けられます。しかしこの2つは製法や材料などが大きく違っていますので、それぞれの特徴などを知っておきましょう。

 

日本における税法で言いますと、どちらも単式蒸留焼酎で扱われており、ともに同じジャンルとしての税率が設定されています。その一方で原料には多数の違いが見受けられますが、まず泡盛の多くはタイ米を原料として製造されている点が挙げられます。さらに古くからの伝統で受け継がれている特徴が、黒麹菌を使用している点も大きな違いとなる部分です。

 

原料のタイ米は全て米麹となり、そこに水と酵母を使用して発酵をさせていく、全麹仕込みという方式が代表的です。一方の焼酎の方ですが、代表的な原料として米や麦が使用されており、一時期ブームにもなった芋などという種類の幅広さも特徴となります。これらの原料から米麹などを作って、水、酵母で発酵(この段階は1次仕込みと呼ばれる)させていきます。

 

その段階で主な原料である米や麦と言った物を仕込んでいき、さらなる発酵(2次仕込み)を施すのが特徴です。ここまでで言えるのがまず製法の違いで、仕込みの段階なども異なる事が見られる他、タイ米を原料としている事に対して、麦や芋などの多種多様な原料が使用されているという点も違いとなっています。

 

そして仕込みの後は蒸留させていく段階となり、泡盛は常圧蒸留という行程を実施しますが、焼酎の場合は一般的に減圧蒸留という方式が取られています。この常圧蒸留という方式は、タイ米などの原料の特徴が活かされている事がメリットで、原料本来の味わいや風味が伝わりやすくなる点が特徴です。

 

対して減圧蒸留の場合は、原料の風味を残しながらも飲みやすい軽さを実現し、原料によってはフルーティーな味わいとなる点もメリットです。それぞれに個性や利点がありますが、泡盛の場合は熟成をする事によって完成する古酒というジャンルが魅力の1つでもあります。

 

この古酒は一般的に行われる、ろ過の行程をできるだけ省いて簡素化しており、これによって成分が消失せずに深みのある味わいにも繋がっているのです。焼酎は時代のニーズに合わせた商品開発も進められ、幅広い層に親しまれる味や飲みやすさを追及している側面があります。

 

その反面、泡盛というジャンルは古酒という物にも象徴されるように、古くからの伝統を守って継承しているという事が注目すべき点となっています。